表現者という生き方。

ポール・ゴーギャン。19世紀の美の巨星。その名と作品は何度も目にしながら、タヒチ時代のエピソードまでは知りませんでした。映画には、当然ながら、ベースが実話であれ、細部に至るまでつくり手の解釈と脚色が施されています。しかし、それ故、目に見えない心情に迫ることもできるのだと思うのです。タヒチでのゴーギャンが、自然にあふれた楽園で創造の喜びに満ちた優雅な日々を過ごしていたわけではなかった、と知りました。当時、すでにフランスの植民地として文明化が進むタヒチで、ゴーギャンは生活に困窮しながら、創造への意欲を失わず、孤独と闘い、新たな愛と出合い、それを失い、苦闘しつつ、後世に傑作と評される作品の数々を生み出していました。何かを創造し、表現し、それを発信する者は、孤独と無理解を引き受けながら、休むことなく、自らの内なる畑を耕さなければならない。そうして生まれた作品こそが、いつか誰かのこころに灯りをともすのだと教えられました。表現者とは、職業ではなく、生き方なのだと。次回は2月25日頃に😊)