ほぼ隔週刊詩

隔週のほぼ水曜日にお届け/作品集からご紹介しています(一部 書き下ろし)

(#83/0728)  

 

何処から来たのでしょうか

はるか時空をさかのぼれば

教えるまでもないことと

天上で瞬く星明かりは微笑む

 

何処へ行くのでしょうか

肉体はやがて朽ち

心は変化を繰り返す

つまりは 変わらぬ魂を知れば

おそれるまでもないことと

天上を巡る月明かりは慰める

 

地上の目を超え 鳥の目を超え

天上の目を持つならば 

あらゆるものは常ならず

広大無辺 未知の世界の扉が開く

答えは いつも 見えぬものなり

 

(『宇宙詩』より)

 

 

(#82/0714)  

 

疲れるほどに、歩いただろうか。

月の光は答えてくれぬ。

絶望するほど、愛しただろうか。

森の風は歌ってくれぬ。

嘆くほどに、生きただろうか。

日の光は叱ってくれぬ。

明日に何があるだろう。

思えば何もないだろう。

明日も何もないだろう。

知れば全てがあるだろう。

 

(『過去鏡~私を捉え目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

 

 

(#81/0630)  

 

『記念日』

 

いつの日か 今日を思う時

特別な日だったと 気づくでしょう

いつの日か 今日を語る時

特別な日だったと なつかしむでしょう

 

いつものように 体をならし

いつものように 腕を伸ばし

いつものように 足をけり

 

いつの日か

わたしはあなたに伝えるでしょう

毎日が記念日でしたと

 

(『今を泳ぐ。今を生きる。』より)

 

(#80/0616)  

 

あなたは知らない。

私のなかにいる鳥を。

あなたは知らない。

私のなかの秘密の部屋を。

それでもいいでしょ、

残りは全部あげるから。

 

(『サクラごはん』より)

 

(#79/0602)  

 

今日は呆けて朝寝坊

ジタバタしても始まらぬ

午後は昼からほろ酔い気分

アタフタしても変えられぬ

お天道さんにいただいた

仕切り直しのいっときだもの

スマホの代わりに空を見て

変わらぬ青に呼びかける

お天道さんは見てるかな

こんな自分を見てるかな

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気だけれど

今日は怠けて朝寝坊

お天道さんへ見ていてね

こんな自分を見ていてね

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気ですから

今日は大の字 朝寝坊

午後は昼からほろ酔い気分

 

 (『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#78/0519)  

 

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

喜びは、七色の光を放ち、

降り注ぐばかりで捉えることはできない。

怒りは、煮えたぎり、

時とともに黒ずみ底へと沈み長く留まる。

哀しみは、粉雪のごとく、

静かに降り積もり組成の内に入り込む。

楽しみは、落ち着きなく、

すぐに溢れ出て溜め置くことはできない。

穢れた羽虫が、悪戯に、小穴を開けて去ってゆく。

するとそこからすべてが漏れた。

とめどなく流れ出る、失うばかりの心地は、

絶望の淀みに似て、光と色を奪い去らんとする。

しかし何も留まらず溜まらず、故に淀みも生じない。

喜怒哀楽は風のごとく通り過ぎてゆく。

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

 

(『過去鏡~私を目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)