ほぼ隔週刊詩

隔週のほぼ水曜日にお届け/作品集からご紹介しています(一部 書き下ろし)

(#107/0810)

 

「遺言二〇一九」

 

小さき私のその先に広大無辺な宙がある

何者でもないはずの身に奇蹟の朝が訪れる

鎮守の杜は今日も優雅に舞っている

どこまで行けるかわからない

いつまで生きるかわからない

破産を恐れる貧しさを草は笑う

病に怯える愚かさを石は慰める

思いどおりにならぬ不満を雲はからかう

小さきお前のその先に無秩序な宙がある

何者でもないはずの身に光の波はそう諭す

はじまりはなく

終わりもなく

すべてはただ在り

形を変えて続くのだ

早まるな

比べるな

絶望するな

この世に受けた身命は

何かを成し遂げるためではなく

ただ関わるためなのだ

土から離れるな

水に抗うな

火を隠すな

風を遮るな

空を見下ろせ

静かに枯れる覚悟のもとに

チューブの如き空身に記憶をとおして

ただ関わるためなのだ

何者でもないはずの身に奇蹟の朝が訪れる

鎮守の杜は今日も優雅に舞っている

小さき私のその先に広大無辺な宙がある

 

(『新作集2021』より)

(#106/0727)

 

「星のかけらになる日まで」

 

風向きなんて気にしないで

行き先すら決まっちゃいない

あの丘の先にあるもの

想像してみたことがあるかい?

 

ホイッスルが鳴ったって

走ることなんてないんだ

僕らのゲームなんだから

好きなようにやったらいいんだ

 

転んだらまた起きる

疲れたら立ち止まる

 

ホイッスルが鳴ったって

走ることなんてないんだ

僕らのゲームなんだから

好きなようにやったらいいんだ

 

しくじったら考えて

試しながらまた進む

 

星のかけらになる日まで

星のかけらになる日まで

 

(『新作集2020』より)

(#105/0713)

 

欲しいモノに手を伸ばそう

いらないモノでごまかさず

好きな人と生きよう

他人の目など気にかけず

やりたいことをしよう

やれることで休まずに

それが 

この世に来た意味だから

 

(『ポストカード集』より)

(#104/0629)

 

悲しみは 笑う勇気を起こしてくれる

苦しみは 生きる覚悟を教えてくれる

背負う十字架 降ろしたら

光の道が見えるでしょうか

 

(『ポストカード集』より)