ほぼ隔週刊詩

隔週のほぼ水曜日にお届け/作品集からご紹介しています(一部 書き下ろし)

(#79/0602)  

 

今日は呆けて朝寝坊

ジタバタしても始まらぬ

午後は昼からほろ酔い気分

アタフタしても変えられぬ

お天道さんにいただいた

仕切り直しのいっときだもの

スマホの代わりに空を見て

変わらぬ青に呼びかける

お天道さんは見てるかな

こんな自分を見てるかな

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気だけれど

今日は怠けて朝寝坊

お天道さんへ見ていてね

こんな自分を見ていてね

手にした無事を糧にして

もうひと踏ん張りする気ですから

今日は大の字 朝寝坊

午後は昼からほろ酔い気分


 (『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#78/0519)  

 

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

喜びは、七色の光を放ち、

降り注ぐばかりで捉えることはできない。

怒りは、煮えたぎり、

時とともに黒ずみ底へと沈み長く留まる。

哀しみは、粉雪のごとく、

静かに降り積もり組成の内に入り込む。

楽しみは、落ち着きなく、

すぐに溢れ出て溜め置くことはできない。

穢れた羽虫が、悪戯に、小穴を開けて去ってゆく。

するとそこからすべてが漏れた。

とめどなく流れ出る、失うばかりの心地は、

絶望の淀みに似て、光と色を奪い去らんとする。

しかし何も留まらず溜まらず、故に淀みも生じない。

喜怒哀楽は風のごとく通り過ぎてゆく。

ワタクシという容れ物。空っぽの小さき世界。

 

(『過去鏡~私を目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

 

(#77/0421)  

   

何者かと問われ、私ですと答えたのです。

私とはと問われ、罪人ですと答えたのです。

その罪はと問われ、人の罪ですと答えたのです。

人の罪とはと問われ、産まれた罪ですと答えたのです。

償いはと問われ、生きることですと答えたのです。

生きるとはと問われ、死ぬことですと答えたのです。

 

(『過去鏡~私を目覚めさせる聖地の光と陰と連なる言の葉~』より)

 

(#76/0324)  

   

「ありがとうリレー」

 

しっかりおよげ

歯をくいしばれ

自分に負けるな

 

ハラハラしながら

そういっている

わかいあなたに

そういっている

 

これからだよ

いまからだよ

こわいものなどあるもんか

できぬことなどあるもんか

 

ドキドキしながら

そういっている

あいしたむすめに

そういっている

 

ほんとはね

ひとことでいいんだ

ありがとうって

つたわれば

 

(『今を泳ぐ。今を生きる。』より)

 

(#75/0310)東京大空襲の日に寄せて/再掲(#11)  

   

「風が伝える彼の歌」

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

あの日の丘で手に触れた

名も無き花の美しさ

 

この先に続く世界には

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先に続く暮らしには

そんな悲しい繰り返し

どうかありませんように

 

風はどうしてこんなにも

やさしく頬をなでるのか

あの日の丘で手を振った

かよわき君の愛おしさ

 

この先に生きる人たちよ

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先をつくる人たちよ

そんな愚かな繰り返し

どうか起こしませんように 

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

 

(『いきるのうた』より)

 

(#74/0224)  

   

「みていてね」

 

何気ない 朝昼晩に

毎日の色が 見過ごされていく

 

何もない 月水金に

交わす言葉が 流されていく

 

あなたを 忘れない

その思いが 私を動かすから

 

あなたを 忘れない

その誓いが 私を照らすから

 

その日に向かって

来る日に向かって

 

私は 歩き続けている

 

だから お願い みていてね

だから お願い まっていてね

 

(『いきるのうた』より)

 

(#73/0210)  

   

散歩道にもドラマはあります

光と陰が教えてくれます

美はすぐそばにあると

目の前を過ぎるこの一瞬に

 

追いかける足を止めて

少しの時間だけ

空を見上げてみませんか

あなたに呼びかける空を

 

(書き下ろし)