ほぼ隔週刊詩

隔週のほぼ水曜日にお届け/作品集からご紹介しています(一部 書き下ろし)

(#37/0905)

 

母を看取って解放されて。

夫と離れて自由になって。

子どもを忘れて女になって。

なんだか冷たくなりました。

 

 

(『サクラごはん』より)

 

(#36/0809)

 

『あなたへの誓い。明日への祈り。』0809

その日。
この空は燃えていた。
人も緑も風も。
すべてを焼き尽くして。
この地で僕はひざまずく。
理屈を捨てて。
目を閉じて。
セミが声明を唱えている。
猛暑の公園に、一陣の風が吹く。
首筋の汗が冷え、目覚めのかけ水になる。
セミが声明を唱えている。
教えてあげなくては。
たとえ顔を背けられても。
伝えていかなくては。
たとえ言葉を遮られても。
退屈するほど何事も無い、
そんな穏やかな時間は、
あなたのいのちと引き換えに
手にしているということを。
平和をまもるそのために。

 

(『気まぐれ雑記』より/一部編集)

 

(#35/0725)

 

視点を変えよう

ヒトの眼から鳥の眼へ

そして星の眼へ

 

時空を超えた世界を思い

無常を知れば

今日の不安も薄れゆく

この身などおかまいなしに

何があろうと世界は続く

 

視点を変えよう

とどのつまり 

この身はチューブのバトンなり

 

 

(書き下ろし)

 

(#34/0710)

 

ほんとは みんな 泣いている

見えない 涙を  流している

 

身体を震わす不安の波が

抑えのきかぬ怒りを招く

 

ほんのささいなひとことが

堪える背中を突き飛ばす

 

ほんとは みんな 泣いている

見えない 涙を  流している

 

(書き下ろし)

 

(#33/0628)

 

そこに光がある限り

力はいつも傍にある

そこに道がある限り

心はいつも前を向く

解き放て

近づくために

確かめるために

それだけのために

 

(『神記憶』より)

 

(#32/0612)

 

私をほめて ねぇ もっと

あなたの言葉で

 

私をほめて ねぇ もっと

アタマの先から

 

明日を信じて 歩けるように

背中を追って 走れるように 

 

(書き下ろし)

 

(#31/0530)

 

別れるのではないのです。

つぎの世界で待つのです。

倒れたのではないのです。

休むことを許されたのです。

委ねてみれば気づくでしょう。

みちびかれていることに。

みまもられていることに。

 

(『神記憶』より)

 

(#30/0515)

 

寂しさに会えてよかった

誰かの涙を

受け止められるかもしれないから

 

悲しさに会えてよかった

誰かの痛みに

寄り添えるかもしれないから

 

憎しみに会えてよかった

誰かの怒りを

鎮められるかもしれないから

 

あなたなら聞いてもらえる

そんな役目があることを

私は教えられました

 

(『ワタシへのメッセージ』より)

 

(#29/0429)

 

『今 ここを生きる』

 

望んだものが 目の前にある

たとえばそれが 咲かぬ花でも

 

認めたことが その身に起こる

たとえばそれは 予期せぬ別れ

 

風はすべてを 流し去り

雲はすべてを 塗り替える

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

 

見えているものが わが身の答え

心が生んだ 世界の姿

 

手放すことで 扉は開く

赦したものが その身を救う

 

空はすべてを 解き放ち

光はすべてを 受け止める

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

道は見えずとも そこにある

今 ここを生きる

 

(『いきるのうた』より)

 

(#28/0419)

 

想像してみよう その世界を

願いのすべてがかない

痛みのすべてが消える

いのちは 途方も無い時間を手に入れる

 

不安は消える

脅かすものは 存在しないのだから 

希望も消える

すべては すでに かなっているのだから 

 

あらゆるものが存在し

あらゆるものは意味をなくし

つまりは あらゆるものが「無」となる

 

いのちは 肉体から解き放たれ

ただ一点の光となり

ながい ながい 時間のなかで

明滅の物語を繰り返す 

 

想像してみよう 

次の世界があることを

 

想像してみよう

ただ一点の光となって

230万光年の過去から届く星明かりのように

いのちは 途方も無く続く 旅の途中にあることを

 

 

(『宇宙詩』より)

 

(#27/0407)

 

塀の上にねこがいる 

午後の陽を浴び目を閉じて 

気持ちよさげに横たわる 

張られた有刺鉄線が 

毛並みに食い込んでいるけれど 

お構いなしに寄りかかる 

わずかな幅の塀の上 

午後の陽を浴び目を閉じて 

気持ちよさげに横たわる 

 

ああ憧れがここにある 

慕う禅師がここにいる 

 

古びたコンクリ見上げつつ 

私の憂いが飛んでいく 

うららかな青にとけてゆく 

 

塀の上にねこがいる

 

(書き下ろし)

 

(#26/0322)

 

初めてこの子を抱いたとき、

まるで天使のようでした。

あの日の私は、母でした。

今よりずっと、母でした。

 

(『サクラごはん』~母の章~より)

 

(#25/0221)

 

スキよスキスキあなたがスキよ

その目その髪その仕草

パパママ仲間に背いても

スキよスキスキあなたがスキよ

この世を敵にまわしても

自分の未来にフタしても

スキよスキスキあなたがスキよ

あなたの声を聞くだけで

風の音さえも歌になる

スキよスキスキあなたがスキよ

あなたがそばにいるだけで

交わす言葉は羽を持つ 

スキよスキスキあなたがスキよ 

そんなあなたがサヨウナラ

そんなわたしにサヨウナラ

 

(『よわねこ詩作家修業日記』より)

 

(#24/0207)

 

目を奪われるものよりも

心を動かされるものを

何かをなぞるのではなく

何かをつくり出すことを

目にする景色が私を覚ます

語る言葉が私を変える

世界は私を試している

明日が私を待っている

輝く時間を用意して

 

(『世界に一つのあなたへの詩』より)