よわねこ(ほぼ)隔週刊詩

隔週よわねこ通信(ブログ)と交互にほぼ水曜日に配信/オリジナル詩をご紹介

(#20/1212)

 

沈黙ですよ。

必要なのは。

無理矢理ことばを引きずり出して

縮めたはずの時間を延ばし

相変わらずのパーティー騒ぎじゃ

声など届くはずもない。

沈黙ですよ。

必要なのは。


(書き下ろし)

 

(#19/1128)

 

ここが異国の街ならば」

 

ここが異国の街ならば、今日の苛立ちは軽いかも。

見なれたビルに沈む陽が、優しく切なく映るかも。 

ここが異国の街ならば、明日の不安はちっぽけかも。

思い描いた夢の道、のんきに進んで行けるかも。 

貴方が異国の人ならば、このすれ違いも変わるかも。

黙っていては伝わらぬ、当たり前だと気付くかも。 

そんな夢想に背中を押され。地下鉄ゴトゴト帰り道。

どうやら気分次第です。

セルフコントロールです。 

明日も佳い日になりますように。


(『よわねこ詩作家修業日記』より)

 

(#18/1114)

 

比べているのは誰ですか」

 

桜は梅と競うでしょうか。

雀は鷹に憧れるでしょうか。

ライオンはピューマに嫉妬するでしょうか。

英知は比べるためではなくて。

そんな事実を知るためのもの。

強さは打ち負かすためではなくて。

そんな事実を受け入れるためのもの。

すべては唯一で正しくて。

すべては等しく尊いのだと。

比べているのは誰ですか。


(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#17/1031)

 

茶化されたって口笛吹いて。

つまずいたって笑い飛ばして。

進もう! 進もう! 手を振って。

雲の名前も知らないような、

花の話もできないような、

エライ大人にならないように。

恥かいて。汗かいて。

今日も全身泥だらけ。


(『よわねこ詩作家修業日記』より)

 

(#16/1018)

 

「おとなのこもり歌」

 

歌いましょう

涙は拭わず そのままで

歌いましょう

小さい声でも構わずに

遠いあの日の帰り道

うつむきながら口ずさんだ

あの歌を もう一度

 

歌いましょう

何かを変えるためではなくて

歌いましょう

誰かに伝えるためでもなくて

小さい声でも気にせずに

遠いあの日の夕暮れに

悔しさこらえて口ずさんだ

あの歌を もう一度

 

そのうちきっと

あの日のように

小さな星が 見えてくるから


(『ふと舞い降りた無色の言の葉』より)

 

(#15/1002)

 

かえりみて

かえりみて 

みちのうえには はなもなく

 

あおぎみて

あおぎみて

そらのさきには つてもなし

 

つつしみて

つつしみて

そのあやまちを くいるなら

 

あすもまて

あすもまて

むかえのしるし はなたれて

 

ありがたき

ありがたき

ついのひかりに つつまれる

 

(『あめつちの』より)

 

(#14/0918)

 

まず許せ 

できたら手放せ

それから捨てよ

それが我が身を解き放つ

 

(書き下ろし)

 

(#13/0905)

 

なぜ急ぐ  空も見上げず

なぜ迷う  風にも気づかず

なぜ嘆く  花すら愛でず

なぜ恐れる 迎えも来ぬのに

万事尽くして 流されて

天に任せて 導かれ

その日に向かって 歩くのみ 

 

(書き下ろし)

 

(#12/0824)

 

お母さん。

その草を見て。

花もない、その草を。

それが私なの。

誰も気づかないけれど。

 

色えんぴつで、ぬりたくなるほど

目立たないけれど。

それが私なの。

 

お父さん。

その草をふまないで。

ひっしで立つ、その草を。

それは私なの。

誰も気にしないけれど。

 

目ざわりで、ぬきたくなるほど

じゃまかもしれないけれど。

それが私なの。

 

(書き下ろし)

 

(#11/0806)

 

「風が伝える彼の歌」

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

あの日の丘で手に触れた

名も無き花の美しさ

 

この先に続く世界には

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先に続く暮らしには

そんな悲しい繰り返し

どうかありませんように

 

風はどうしてこんなにも

やさしく頬をなでるのか

あの日の丘で手を振った

かよわき君の愛おしさ

 

この先に生きる人たちよ

誰かを守るそのために

誰かを傷つけ攻めるような

この先をつくる人たちよ

そんな愚かな繰り返し

どうか起こしませんように 

 

空はどうしてこんなにも

青く続いているのやら

 

『いきるのうた』より

 

(#10/0725)

 

どこまで行けるかな。

いつまで生けるかな。

不安と希望は背中合わせで。

喜怒哀楽のやじろべえ。

今日も揺れてる右左。

それでもさ。やっぱりさ。

自分を信じて歩いてさ。

明日は今日の積み重ね。

何処にも無い花、咲かせよう!

 

『よわねこ詩作家修業日記』より

 

(#09/0710)

 

動いてさ。

汗かいて。

それでいいんだ。

ほめてなんか、

もらえなくたって。

 

『サクラごはん』より

 

(#08/0627)

 

ほこれるほどのものはなく。

ほめられるほどのこともない。

なしとげるほどのさいもなく。

なをのこすなどなおとおく。

そんなこんなのみだけれど。

このどんてんをみあげれば。

ながれるくもがおしえてくれる。

むこうぎしにわたるのに。

かざりぶねなどいるものか。 

そのてにろさえあればいい。 

あめかぜしのぐかさひとつ。 

あたまにのせればことはすむ。 

あしたもきっとだいじょうぶ。

おじぞうさんをかいたひに。 

そんなことばをいただきました。

 

『よわねこ詩作家修業日記』より

 

(#07/0613)

 

「夢見るために生まれけむ」

 

花が咲く 花が散る

風にまかせて 葉が揺れる

感じよう ただ 感じよう

すべて わが身に置き換えて

 

あそこで誰かが 手を振って

向こうで誰かが 泣いている

見つめよう ただ 見つめよう

すべて この身に置き換えて 

 

世界のどこかの片隅で

物語は 生まれている

物語は 続いている 

世界でひとつの あなただけの物語 

 

信じよう ただ 信じよう

この世に生きている意味を

この世に生かされている訳を

 

『ふと舞い降りた無色の言の葉』より

 

(#06/0530)

 

「今を泳ぐ」

 

お母さん

じょうぶな体をありがとう

お父さん

へこたれぬ元気をありがとう

 

私は 今を 泳いでいます

私は 今を 生きています

 

『今を泳ぐ。今を生きる。』より

 

(#05/0522)

 

おかげおかげと

唱ふれば

迷へる道の

雲晴れる

 

『月抄会~gessho e~』より

 

(#04/0516)

 

いつでも止められる

どこでも生きられる

恥という名の

靴さえ脱げば

 

『過去鏡』より

 

(#03/0508)

 

初めてこの子を抱いたとき、

まるで天使のようでした。

あの日の私は、母でした。

今よりずっと、母でした。

 

『サクラごはん』より

 

(#02/0503)

 

 花を見つけたわ。

ずっと探していた花を。

名前もわからないから。

誰にも聞けなかったの。

でも。見つけたわ。

私だけの花。

私のための花。

もう、迷わない。

だって。花を見つけたんだもの。

 

『言の葉Bar』より

 

(#01/0425)

 

どうして私が。

涙で問うと。

選ばれたのだと。聞こえた気がした。

どうすればいいの。

無言で叫ぶと。

声をあげるのだと。届いた気がした。

誰かに伝えるために。

誰かを救うために。

選ばれたのだと。

どうして私が。

天を仰ぐと青空を雲が泳いでおりました。

 

(書き下ろし)